ノルウェイの森(村上春樹)

ノルウェイの森 上 (講談社文庫)

ノルウェイの森 上 (講談社文庫)

ノルウェイの森 下 (講談社文庫)

ノルウェイの森 下 (講談社文庫)

 

いつものことながら一気読み。4時間くらいだったでしょうか。

内容に少し突っ込んでいます。未読の方はご注意を。

 

 

村上春樹さんの作品は、小学生の時に海辺のカフカを読んでから全く読んでいませんでした。

突然の性的描写や、お魚降ったりしてくる描写に対して、その当時はどうにも合わないなあと思っていました。そのくせしっかり家出はしましたが…。

 

突如読んでみようという思いに駆られて買ってきたノルウェイの森、結構面白くすぐに読めてしまいました。

 

こんなワタナベ君みたいな大学生いないだろとか(永沢さんみたいな方は案外いるかもしれませんが)、緑ちゃんみたいな子がいたらなあとか、そういう小さい突っ込みはまああります。

しかしながら、そのような細かい点よりも、村上春樹さんの小説はとても難しく、技巧的に書いているのかもしれない、という印象を強く感じました(今頃?)。

直子と緑の対比や、レイコさんの存在やその行動、多くの小説内でのわかりやすい要素や、暗喩的な要素がそもそものテーマの”生と死”につながるように、複雑に組み立てられているのだと感じました。

海辺のカフカにも、そういった要素はおそらく多分にあったのでしょうが、背伸びした小学生には残念ながら読み取れませんでした…(笑)。

そういった意味では多少大人になったのかな。

結末をぼかすのは読者の想像を掻き立てるために必要なんでしょうが、僕個人としては、是非とも緑ちゃんと幸せになってほしいですね。すぐ電話をかけてね。最初のあれはふと思い出した的なシーンであってほしいものです。

 

村上春樹ファンの人が殺到するのが少しわかったかもしれません。

そして何歳になられても、若者の葛藤というか、繊細な描写をできる感受性と描写力に驚嘆させられますね。もやもや感じていても、ここまで文章化できないですもんね。

僕にはまだ彼の小説は難しすぎて食あたり気味なので、十年ごとくらいがちょうどいいかなー。きっと好きな人はいろいろ考察とかするのかなあ。